2026年7月より、医療法人七徳会 大井病院様のご協力のもと実施しておりました「AI音声記録-ドクターカー運用支援」のPoC(概念実証)が完了いたしました。
本PoCでは、ドクターカーでの救急活動における音声の自動文字起こしやAIによる要約、複数話者の識別などについて、実際の運用を想定した検証を行いました。
PoCでの評価と機能改善
1.医療現場での音声文字起こし
音声の文字起こしについては、医療現場で使用される専門用語や表現にも対応できており、医療記録としての精度が高いとの評価をいただきました。
特に、医療現場で使われる「サチュレーション」という発言が「SpO₂」として記録されるなど、医療用語を適切に認識・変換できた点について、高い評価をいただきました。
一方、AIによる要約については、期待する内容が十分に反映されないケースもあり、要約された文章よりも、発言内容を確認できる文字起こしの方が有用とのご意見をいただきました。
2.同一患者の記録の自動結合
同一患者に対して複数回に分けて音声記録を行った場合でも、後から記録を自動的に結合できるよう機能を改善しました。
これにより、一連の救急活動をまとめて確認できるようになり、使いやすくなったとのご意見をいただきました。
3.複数話者の識別と名称の一括置換
ドクターカー内での複数人の会話についても、それぞれの発言を「話者①」「話者②」などに分けて記録できることを確認しました。
さらに、記録後に「話者①」を「患者家族」などの名称へ一括置換できる機能を追加しました。
これにより、誰の発言であるかを後から整理でき、医療記録としての確認や編集がしやすくなりました。
4.ドクターカー車内での集音環境
一方、ドクターカー車内で複数人の音声を適切に収集するための集音マイクの選定には苦労したとのご意見もいただきました。
複数話者の識別が可能であることは確認できましたが、実際の運用環境に適した集音機器の選定は、今後の検討課題となりました。
今後に向けて
今回のPoCでは、AIによる要約に課題が残る一方、音声の文字起こしについては、医療記録としての精度の高さを評価いただきました。
また、実際の医療現場からのご意見をもとに、同一患者の記録の自動結合や話者名称の一括置換などの機能改善を行い、操作性の向上につなげることができました。
今後も、医療現場で求められる記録の正確性と使いやすさを重視し、AI音声記録の実用化に向けた取り組みを進めてまいります。
最後に、本PoCにご協力いただきました医療法人七徳会 大井病院様に、心より御礼申し上げます。
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